耳鳴りやめまいは、タイプが大きく分けて3つあり、それぞれのタイプにあわせて漢方薬を使い分けていきます。
急性の耳鳴り
急性の耳鳴りには、風熱(ふうねつ)によるもの、肝火上炎(かんかじょうえん)によるもの、痰郁化火(たんいくかか)によるもの、血(おけつ)によるものがあります。
風熱(ふうねつ)
悪寒、発熱、頭痛、関節痛、耳がかゆいといった風邪のような症状を伴い、激しい耳鳴りが突然起こるというのが特徴です。
肝火上炎(かんかじょうえん)
イライラ、怒りっぽい、目の充血、赤ら顔、激しい頭痛、口苦感、不安感、便秘、脈拍数が多い、といった症状を伴い、突発性難聴や強い耳鳴りが起こります。
痰郁化火(たんいくかか)
むくみ、太り気味、胸やおなかの張痛、痰、大便小便がすっきり出ない、頭重感といった症状を伴い、耳が塞がったような耳鳴りが起こります。
血(おけつ)
アザができやすくなおりにくい、くすみやシミ、顔が黒ずむ、肩こり、慢性的な頭痛などを伴い、突発性難聴や強い耳鳴りが起こります。肝火上炎と現れやすい症状が異なるので原因を見極めて適切に対応することが大切です。
慢性の耳鳴り
急性の耳鳴りには、腎陰虚(じんいんきょ)によるもの、肝腎陰虚(かんじんいんきょ)によるもの、腎陽虚(じんようきょ)によるもの、脾胃気虚(ひいききょ)によるもの、気血両虚(きけつりょうきょ)によるものがあります。
腎陰虚(じんいんきょ)
口が渇く、ほてりやすい、午後になると体温が高くなる、腰の無力感、といった陰虚(冷ます力が足りない)の症状を伴います。耳鳴りの他にめまい、ふらつきが起こります。
肝腎陰虚(かんじんいんきょ)
陰虚が更に進行した状態で、乾燥度の高い火の症状が表れます。目が見えにくい、ふらつき、めまい、不眠、汗がでにくい、口やのどの乾燥、腰ひざのだるさや痛みなどを伴います。
腎陽虚(じんようきょ)
いわゆる「冷えのぼせ」などは陽虚(温める力が足りない)で、冷え性、顔色が白い、むくみ、頻尿、排尿困難などを伴います。
脾胃気虚(ひいききょ)
多くは過労、虚弱体質、ストレス、食生活の不摂生が起因となり、食欲不振、疲労倦怠感、手足の無力感、消化不良、下痢または軟便などを伴います。
気血両虚(きけつりょうきょ)
耳や脳に必要なエネルギーが根本的に足りない為に起こる耳鳴りで、疲労倦怠感、息切れ、かすみ目、動悸、顔色が悪く、手足のしびれなどを伴います。
メニエール病
回転性のめまい、難聴、耳鳴り、耳閉感が同時に起こるメニエール病・・・
「メニエル病」「メヌエル病」「メニエール氏病」とも呼ばれています。
強い回転性のめまいがなく、低音だけが聞こえにくくなるものは、蝸牛型メニエール病といい、本格的なメニエール病の一歩手前といえるでしょう。
病態はメニエール病と同じ、内耳の内リンパ水腫です。
激しい回転性のめまいが起こるため、吐き気や嘔吐を伴い、まっすぐ歩くのが難しく、トイレに這って行っても便座にうまく座ることができないので、トイレも困難になることもあります。 内耳疾患なので、脳には異常はないので、意識ははっきりしているのが特徴です。
発症は30~50歳くらいの女性に多く、厚生労働省の特定疾患に指定されている難病とされています。
メニエール病は原因不明とされていますが、対処法としては、内耳のむくみをとる手法がとられます。
病院では主に利尿剤、また内耳の神経を改善する目的でビタミン剤や末梢の血流を改善する薬が処方されます。
中医学(中国漢方)では、メニエール病を発症した方の生活習慣や食生活などを聞くことからはじめます。 そこにメニエール病に至った原因が潜んでいるからです。
メニエール病を発症した方の多くに共通している点は、過労・ストレスフルな環境・食生活の不摂生が挙げられます。
漢方薬は効き目が遅くて・・・
というのは間違いです。
証にあった漢方薬を用いることで、早い改善を実感することができるでしょう。
イスクラ杞菊地黄丸
こぎくじおうがん
[第2類医薬品]
イスクラ冠元顆粒
かんげんかりゅう
[第2類医薬品]
ジメイ丸
耳鳴丸
[第2類医薬品]
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